ベクレルというのは、人体が受けるほうではなく、放射性物質が持つ放射能の強さの単位です。
放射能測定器が示すのは、一般に放射能の強さであるベクレルとなります。
1秒間に1個の原子核が壊れるときに、放射能の強さを1ベクレルと呼んでいます。
原子核が壊れるというのは、例えばウラン235に熱中性子をぶつけるとウラン238に、そしてその後もどんどんといろいろな放射性物質に変わっていくことを、原子核が壊れると表現しています。
物質というのは、あらゆるものがそうですが”安定した状態”に落ち着こうとするのです。
安定するために、不安定な状態からどんどんと変化するわけですがこのとき崩壊熱を出します。同時に放射線を発するわけです。アルファ線を出す物質は、たいていガンマ線も一緒に出すなど物質によってさまざまです。
ベクレルという単位が使われる前には、キュリーという単位が使われていました。
マリー・キュリーです、彼女は白血病で亡くなったのです。
1キュリー=370億ベクレルと換算されます。
さて、私たちが気になるのは一般にどれだけの強い放射能をもっているかということと同時に、それが人体にどのように関係するかということだと思います。
放射線を受ける側の単位としては、「シーベルト」が使われています。
当ブログでは、放射能用語集のページに放射線量と人体への影響を解説しておりますのでそちらも参照ください。
シーベルトという単位よりも、その1/1000であるミリシーベルトや、1/1000,000であるマイクロシーベルトが一般的な表現です。
食べ物や飲み物について簡単な換算式を覚えておくと、パッとイメージできるので便利です。
被曝線量(ミリシーベルト)=線量係数 x 放射線摂取量(ベクレル)
線量係数は、100ベクレルあたりの何マイクロシーベルトか、という表現方法が一般的です。
ちょっとややこしいですね。最近の法令に基づいて具体的な例で考えましょう。
ある食品の汚染濃度(ベクレル/kg)x食品摂取量(kg)⇒体内への取り込み量(ベクレル)となります。
これを使って、
体内取り込み量(ベクレル)x0.01(100ベクレル換算のため)x線量係数(マイクロシーベルト/100ベクレル)
=被曝した線量(マイクロシーベルト)
となります。
例えばヨウ素131では、口から入る場合の線量係数は1.4となっており、さらに甲状腺については線量係数50となっています。
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