時計にまつわる放射線のお話をしたいと思います。
身近なものとして、腕時計と置時計(目覚まし時計)なんかをイメージしてください。
問題なのは、蛍光塗料のある時計です。ただもちろん全部ではありませんが、時計は意外に知られていない放射性物質も利用されている生活用品のひとつです。
その代表的なものに、トリチウム、プロメチウムがあります。
トリチウムというのは、水素の放射性同位体で弱いベータ線を出してヘリウムに変化していきます。
このベータ線は水中ではほぼどこにも届かないくらいにエネルギーが弱いのですが、気になるのは内部被曝というもので体内に取り入れた場合でしょう。
それでも、10,000ベクレルを含む水を飲んだと仮定して、受ける被曝線量は0.00018ミリシーベルトで大きなものではありません。
文字盤の蛍光塗料に使われることが時計の場合ほとんどですが、時計に使われている場合はガラス等で文字盤を覆っているため一応大丈夫そうだと思われます。
ガラスが壊れた文字盤を舐めるとか、普通の状況ではほぼありえませんので内部被曝は考慮する必要はないと思われます。
もうひとつプロメチウムについて。
プロメチウム147もトリチウムと同じようにベータ線を放射しますが、文字盤のカバーガラスを開けなければ問題ないと思われます。
ただしこういった夜行腕時計の場合、6,000時間の間身につけたとして年間で10ミリシーベルトから、30ミリシーベルトの放射線を受けるとのデータもあるため注意は必要です。
それじゃ、なぜこのようなレベルの放射線を放つものが時計に使われているかというと、国内の法律のせいですね。
370万ベクレルまでは、密封されているものであれば法的には放射性物質とみなされないためです。
もしどうしても気になる方は、時計を購入される際、或いはお手持ちの時計の取扱説明書や保証書に、製品仕様が記載されていますのでまずそこでチェックしましょう。
それでも不明な場合は、電気店もしくはメーカに直接問い合わせされれば確認可能です。
時計に対して放射能測定器を使いたいときは、主にベータ線を測定できるガイガーカウンターを選ぶことがポイントです。
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